クレジットカードの入会申し込みをすると、個人信用情報機関で皆さんの信用調査を実施します。
そして十分な信用力があると判断されると、カードは発行されるという流れです。
個人信用情報機関では、皆さんがどのくらいのカードを持っているか、どの程度の借入があって返済状況はどうかといった金融関係の情報を管理しています。
クレジットカード会社や消費者金融などが個人信用情報を調査するのは、借り入れ状況を確かめるためです。
信用調査をするのは法律に明記されていることで、義務でもあります。
ところでこの個人信用情報機関などを使っての信用調査は、カードやキャッシング以外で利用されることはあるのでしょうか?
採用試験を両親のせいで落とされる?
就職活動をしている学生の間で不安になっているのが、自分の両親の信用情報を見ているのかという点です。もし両親の信用情報に問題があると、それだけで採用試験を落とされるのではないかという懸念を持っている人もいます。
企業としても人を雇うわけですから、きちんとその人に関する調査を実施しています。ただし両親の個人信用情報をチェックしている所は皆無といっていいです。そもそも個人信用情報は、その人の同意なしで勝手にみられるものではありません。
クレジットカードの入会申込書を見てください。「個人信用情報の参照に同意する」という文面が必ずどこかに書かれています。すなわちカード会社やキャッシング会社も勝手に個人信用情報を見ているわけではありません。申込者の同意を得たうえで参照しているのです。
この本人の同意なしで個人信用情報を勝手にみるのは違法です。もし信用情報を見る場合には、当人の同意を得るなり、当人からの情報の提出を求めるなりしないといけません。勝手に両親の信用調査が行われていたということはまずあり得ないのです。
そもそも両親の個人信用情報の提出を求めるのは、その会社のコンプライアンスに問題があるといわざるを得ません。
ただし一部企業、特に金融機関では官報の情報を社内のデータベースに登録しているケースがあります。もし自己破産などを両親がして官報に登録されると、その情報は確認される恐れがあります。
本人の信用情報の方が問題
両親の信用情報をチェックしているという企業はまずないといっていいです。そこで両親が過去に債務整理をした、長期の延滞をしたなどの理由で就職試験に落とされる可能性は低いです。ただし皆さんの個人信用情報に傷のついている場合、他は問題なしでも落とされる可能性はあります。
カードの延滞やキャッシングの滞納を繰り返していると信用情報に登録されてしまいます。そして最近特に注意したいのは、携帯電話やスマートフォンの分割払いです。最近では携帯端末を分割で購入するのが主流です。この分割払いは、割賦契約すなわちクレジット契約なのです。
もしも分割払いをうっかり忘れていたとなると、延滞扱いにされてしまいます。
携帯キャリア各社は個人信用情報機関に加盟しているので、延滞情報は信用情報に登録されます。もし会社から個人信用情報の提出を求められて延滞やブラック情報が記載されていれば、採用試験で大きなマイナスになりえます。信用のおけない人と判断されてしまうからです。
ブラックになるとやっかい
ちなみに延滞をしているとブラック情報は5年間、登録され続けます。
携帯電話の分割払いの延滞を気軽に考えている若者が多いようですが、このようにもしかすると就職活動に悪影響をもたらす恐れがあります。
支払う約束をしている代金は、期日までにきちんと支払いをするように心がけるべきです。