全国の社会福祉協議会などでは、緊急小口資金や教育資金などの公的な貸付を行うにあたって、個人信用情報機関の照会をすることはほとんどありません。
それは、低所得者層への生活支援などといった社会貢献を主な活動目的としている機関だからです。
公的金融機関のなかでもとりわけ公共の福祉に対して重要な役割を担っているので、ブラック情報はほとんどの場合、関係ありません。
ただし、あくまでも援助ではなく「貸付」であるので、返済能力の見通しが立たない人は審査が通らないこともあるでしょう。
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生活に困っているのにお金を借りられない…そんな方に知ってほしい社会福祉協議会の生活福祉資金貸付!
お金がなくなって困ったときに利用するのが、銀行や消費者金融などのローンです。
しかし、これらの民間の金融機関では、基本的に安定的な収入の見込みのある人を対象としてしか、融資は行っていません。
ですが世の中には、たとえば重い病気に罹っていたり、小さなお子さんを育てていたりと、収入が得られる手段もないまま、生活に困っているという方も大勢いらっしゃいます。
では、そのような人たちはどうすればお金を借りることができるのでしょうか。
そこで知っておいていただきたいのが、各都道府県の社会福祉協議会で用意されている生活福祉資金貸付の制度です。
この生活福祉資金貸付という制度を利用すれば、民間の金融機関よりもずっと低い金利で融資を受けることができます。うまく生活が軌道に乗ったあかつきには、返済にもそれほど苦労することはないでしょう。
もしも、生活に困っているのに、収入が安定していないために金融機関を利用できないという方がいれば、ぜひお近くの社会福祉協議会を訪ねて相談してみてください。
社会福祉協議会の生活福祉資金貸付のそれぞれの種類と特徴とは?
生活に苦しんでいるのに金融機関でお金が借りられない人を対象として、社会福祉協議会では低金利で融資を行う社会福祉資金貸付を用意しています。
利用する人によって大きく4つのパターンがあるので、それぞれどのような特徴や条件を持っているのか、こちらで詳しく説明していきましょう。
総合支援資金
まず1つ目に、おもに職を失って生活に困っている人を対象としているのが「総合支援資金」です。
この資金を利用するには、細かく6つの条件を満たしている必要があります。それに合致しない人は融資を受けることができないので注意してください。
福祉資金
2つ目に、介護や療養を必要とする障害者や高齢者を抱えている家庭のための「福祉資金」があります。
教育支援資金
3つ目は、低所得の家庭の子供が大学や高校へ進学や就学するさいに利用する「教育支援資金」です。
こちらは保護者ではなく、子供自身が借り受け人となり、保護者は連帯借受人という形で融資を受けることになります。
ただし、進学や就学に直接かかわる以外の、たとえば塾や予備校に通うといった費用に関しては適用されませんので、注意してください。
不動産担保型融資
4つ目は、自分の所有する住居に住み続けたいという高齢者のいる家庭を対象とした「不動産担保型融資」です。
こちらでは、その不動産を担保にして、月々の生活費を融資してもらうことができるようになります。
これらの制度では、どれも生活に必要な資金を援助してくれるだけではなく、民生委員による支援相談も合わせて行われることになります。
社会福祉協議会の生活福祉資金貸付を利用するために必要な条件とは?
社会福祉協議会の生活福祉資金貸付を利用する際には、それぞれ一定の条件を満たしている必要があります。
こちらでは、それについて詳しく見ていきましょう。
まずは、細かく6つの条件を必要とする「総合支援資金」についてです。
すべての生活福祉資金貸付に言えることですが、前提として低所得の家庭であるという条件が必要となります。
その水準も、たとえば職を失ったり、収入が大幅に減るなどして、普通に生活を送ることすら困難である必要があります。
2つ目の条件となるのは、本人であることが確認できることです。
3つ目の条件となるのは、住居を所有している、あるいは住宅手当緊急特別措置事業の申請を行っているかのどちらかでなければいけません。
4つ目の条件となるのは、融資を受けた後も、引き続き社会福祉協議会および関係機関から支援を受けることを約束しているということ。
5つ目の条件は、融資によって自立できる経済レベルにまで回復し、しっかり返済できる見込みがあるということ。
そして6つ目の条件は、年金や失業保険、あるいは就業安定資金の融資など、ほかに公的な給付や融資を受けられない方である、ということです。
福祉資金の条件 | 教育支援資金の条件 | 不動産担保型生活資金 |
介護や療養を必要とする障害者あるいは高齢者がいる低所得世帯であるということ | 高校や大学に進学あるいは就学する方のいる低所得世帯であること | 住居を所有している低所得世帯であること |
どのような人であれば社会福祉協議会の生活福祉資金貸付を利用することができるのか?
生活福祉資金貸付では、民間の金融機関から融資を受けることができず、生活に困っている方が融資を受けることができます。
しかし、金融機関でお断りをされてきた方も多いと思うので、実際にどのような人であれば利用することができるのか、ご心配の方も多いのではないでしょうか。
もう少し詳しく述べると、この社会福祉資金貸付というのは、まず職を失ったり、あるいは介護や療養が必要な高齢者や障害者などがいる家庭を対象としています。
このような世帯が不自由なく日常生活を過ごしたり、自立の支援をするということを目的としている福祉制度なので、基本的にはやむをえない理由で低所得世帯になっている、ということが前提となります。
したがって、ギャンブルや遊興費などでお金がなくなって困っている、という方には社会福祉資金貸付は利用することができません。
この制度はさらに、融資を受ける理由によって大きく4つに分類され、それぞれの条件も別々に満たしている必要があります。
まず「総合支援資金」ですが、こちらでは本人確認を行い、住居地があるということが条件となっています。
「福祉資金」については、介護や療養の必要な高齢者や障害者のいる世帯である、という条件があります。
「教育支援資金」は、家庭に就学や進学をする方がいなければ、利用することはできません。
「不動産担保型生活資金」では不動産を担保とした融資となるので、当然不動産を所有していることが条件となっています。