クレジットカードは非常に便利なアイテムなのですが、悪用されたり、不正利用されてしまうリスクもあります。
実際に、それぞれのクレジットカード会社が不正利用に対する補償を設けていることからもうかがえます。
クレジットカード会社によって補償内容や規定などに違いがあります。
目次(もくじ)
カード会社によって補償の手厚さが異なる
例えば、自分では非があるとは思っていないのにクレジットカード会社から「契約時の規定の範囲外なので補償はできない」と言い渡されるケースも実際に起こっています。
各クレジットカード会社の補償規約にもよるのですが、ほとんどは「悪用や不正利用、紛失、盗難などが発覚してから届出を出し、そこからさかのぼって○○日分の補償に対応」となっています。
もちろん、補償されるものだと思って相談したにもかかわらず全く取り合ってもらえなかったという事例もあるので、クレジットカードを利用している方は今一度利用規約や補償規約の内容を確認しておいたほうが良いでしょう。
どんなときに悪用・不正利用されやすい?
クレジットカードの悪用や不正利用が起こりやすいタイミング、そしてそれと同時に保証対象外になりやすいケースをいくつか紹介します。
代表的なものに暗証番号の漏えい、クレジットカードに署名されていなかったため悪用されてしまった、スキミングというクレジットカードのデータを抜き取る機器に通してしまった…といった例が挙げられます。
そしてこれらが原因のときは「クレジットカードの名義人の不注意によって引き起こされてしまった」と捉えられて補償対象外になってしまうことも珍しくありません。
また最近だとクレジットカードを使ったインターネットショッピングやインターネットサービスの利用が増加しています。
しかし、パソコンそのもののセキュリティーが弱かったり、利用しているサイトのセキュリティーが甘い場合、悪意のある人によってクレジットカード情報が漏えいしてしまうことは珍しくありません。
ですので、まずはパソコンにしっかりとしたセキュリティーシステムを作ること(セキュリティーソフトのインストールなど)、そして怪しいサイトではクレジットカードの番号を入力しないようにすることが大切です。
悪用や不正利用を予防するためのポイント
自分のクレジットカードを赤の他人に不正利用されないためにも、自分でできる対策法を知っておきましょう。
1.クレジットカードの確認頻度を上げる
多くの人はクレジットカードを財布に入れっ放しにしていると思います。
買い物をするときなどに取り出すくらいのもので、人によっては1ヶ月以上一切使っていない、という方もいるはず。
カードの悪用・不正利用は早期発覚、早期対応が肝となってくるので「できれば1日1回クレジットカードが財布の中に入っているか」を確認しておきましょう。
万が一紛失や盗難があったときにすぐにカード会社に連絡していち早く利用停止手続きができます。
財布の中にクレジットカードを入れる習慣がない人も、自宅で保管している場所を定期的にチェックするようにしましょう。
またETCカードを利用している方も「いつの間にか車上荒らしにあって抜き取られていた!」ということもありますので、こちらも定期的に確認したほうが良いです。
2.暗証番号は定期的に変える
クレジットカードが不正利用されてしまう大きな原因のひとつが「暗証番号の漏えい」です。
暗証番号が流出してしまうと誰でもそのカードを使って勝手に決済できるようになってしまいます。
多くの方は一度設定した暗証番号はほとんど変えない、カード会社に促されるまで買えない、という方が多いと思います。しかし知らないうちに暗証番号が流出しているかもしれない、と考えると定期的な暗証番号の変更が有効になってきます。
毎回暗証番号を変えて、結局番号が分からなくなって自分自身が使えなくなってしまった!ということにならないように注意が必要となりますが、セキュリティー対策という意味では最も手軽で有効です。
自分の生年月日などだとすぐに割れてしまうので、できる限り自分のプロフィールとは関係のない数字を選んで組み合わせるようにしましょう。
また、他のwebサービスなどの暗証番号と一緒にしている方も流出する可能性が非常に高いのでクレジットカードは別で設定することを強くオススメします。
3.利用明細は必ず確認しよう
悪用、不正利用、カードの紛失にいち早く気付くためにも利用明細は送られてくるたびに必ず確認するようにしておきましょう。
中には送られてきた利用明細の内容を確認することなくそのものごみ箱に捨てている方もいるのではないでしょうか。
少なくとも1ヶ月に一度送られてくるわけですので、これをチェックしていれば最低でも1ヶ月分の不正利用で食い止めることができます。
最近だとweb明細サービスを用意しているクレジットカード会社が増えてきているので、パソコンやスマートフォンで定期的にチェックする習慣も身に付けたいものです。
4.すぐに連絡できるように準備しておく
クレジットカードを無くしてしまったり、送られてきた利用明細の中に心あたりがないときはパニックになるものです。
そのため、どうしたら良いのか分らなくなって、結局対応が遅くなってしまった…というケースも十分考えられます。
そうならないようにするためにも、万が一のトラブルが起こった時にどうするべきなのか、連絡先をまとめておくことが大切です。
基本的にはクレジットカード会社のサポートデスク、そして警察に連絡をします。クレジットカード会社には必ず24時間対応してくれるサポートデスクが用意されているので、そちらの電話番号を控えておくことが大切。
相手はクレジットカードトラブルのプロですので、優しく冷静に対応してくれます。パニックになって電話をかけたけれど、担当者と話をしていたら徐々に冷静になってきて、どこで紛失したのか、どういった場所でカード情報が流出したのか…といったことを思い出せるかもしれませんね。
クレジットカード会社が提供しているセキュリティーサービスを活用しよう
先述したポイントを抑えることも大切ですが、どのクレジットカード会社を利用するのかも重要なポイントとなってきます。
というのも、カード会社としても悪用や不正利用対策に力を入れているところも多く、充実したセキュリティーサービスを提供しているからです。
これらを有効活用することによって自分で用意しなくてはならないセキュリティーを最小限に抑えられます。また、非常に高機能なセキュリティー対策が期待できるのもポイント。
そこでここでは各クレジットカード会社が実施しているセキュリティーの内容について紹介していきます。
永久不滅インターネットセキュリティ
クレディセゾンの公式ホームページにアクセスしてみると、パソコン向けの総合セキュリティソフトが配布されています。
これはクレディセゾンのクレジットカードを所有していて、パソコンからweb決済や、インターネットショッピングなどを楽しむ機会が多い方に向けたセキュリティーサービスとなっています。
嬉しいことに高機能なのに完全無料で利用可能!
ネットを経由してカードを使う機会が多い方は必ずパソコンに導入しておきましょう。また、このセキュリティーソフトだけに頼るのではなく、自分自身も怪しいショッピングサイトは避けるようにする、自分なりにセキュリティー対策を行う(むやみにフリーソフトをダウンロードしないなど)ようにすることも大切です。
本人認証サービス
セゾンカード、三菱UFJニコスといったクレジットカード会社が提供しているセキュリティーサービスになります。
どういったものなのかというと、仕組みとしては極めてシンプル。カード所有者本人しか分からない質問に対して解答することで初めてカードが使える、というものです。
多くの人は「毎回質問に答えなくてはならないから面倒くさい」と感じるかもしれませんが、その手間があるからこそセキュリティーの精度が高くなるわけです。
この本人認証サービスは基本的にネットでの決済でのセキュリティーに強く、毎回のちょっとした手間で不正利用が防げることを考えると積極的に活用していきたいですよね。
ちなみにこのセキュリティーサービス、各カード会社が積極的に採用するようになってきています。
顔写真入りクレジットカード
万が一クレジットカードを紛失し、第三者にそれを拾われてしまった場合、不正利用されてしまう可能性が出てきます。
と言っても、暗証番号やカード名義人のサインが必要となってくるので「そんな簡単に不正利用はできないでしょ?」と思っている人もいるかもしれません。
しかしそういった被害はかなり多いんです。
例えばサインならちょっと練習すれば簡単に筆跡の真似ができます。暗証番号についてはスキミング系の機器を持っていると割れてしまう可能性が。
そこでこのようなパターンの不正利用を防ぐために広まっているのが「顔写真入りのクレジットカード」なんです。
要するに運転免許証のように顔写真を入れておくことでセキュリティーを高め、第三者の利用を予防できるようになる、という考え方ですね。
考え方としては非常にシンプルで原始的ともいえますが、実店舗で利用する際には相当強力な効果を発揮してくれるので、積極的に顔写真入りクレジットカードを選んでみてはいかがでしょうか。
三井住友VISAなら写真あり、写真なしのカードはいずれも年会費が同じとなっていて、特に若い世代の方たちや主婦から人気が高いです。
まとめ
このように、毎日の生活をより便利に、より充実した物にしてくれるクレジットカードですが「便利なアイテムだからこそ様々なトラブル、アクシデントが引き起こされてしまう」とも言えます。
クレジットカードを使用する際には、それ相応のリスクがあることを忘れてはいけません。
多くの方は金利が低かったり、審査に通りやすいクレジットカードを優先的に選ぶ傾向にありますが、万が一のトラブルのことを考えるとセキュリティーに強い、サポート体制がしっかりとしている会社を選ぶのも重要です。
少なくとも、カード盗難保険、ショッピング保険、ICチップ付きのクレジットカードを満たしていれば最低限のセキュリティーが期待できるので目安に考えて、より快適で使い勝手の良いクレジットカード生活を目指していきましょう。