クレジットカード情報のブラックリストに入ってしまうと、クレジットカードを新規で作成できなくなります。その他にも商品を購入するときに、各種ローンが組めなくなってしまうなど様々な不都合が生じます。ブラックリストに載ってしまう理由はいくつかありますが、特に最近若い人の間で増えているのが奨学金にまつわるトラブルです。
経済的に問題のある子供でも教育を受ける機会を与えるために、奨学金を与えている団体はあります。奨学金を授業料などに回して、より高度な教育を受けてもらおうというのが狙いです。ところでこの奨学金は社会人になって所得を得られれば、返済をしていく必要があります。ところがこの奨学金の返済を滞納している人も多いです。
奨学金滞納とクレジットカードの審査
クレジット会社が審査を実施するときには、過去に返済や支払いにまつわるトラブルがないかをチェックします。その時に利用するのが、個人信用情報です。個人信用情報の中には、皆さんの過去の借入やカードの利用遍歴がすべて書かれています。いつ借入をして、いつ支払いをしたかなどの情報が記載されています。
個人信用情報を管理する個人信用情報機関には、クレジット会社や銀行、消費者金融などが加盟しています。そして奨学金を出している日本学生支援機構という独立行政法人も、平成20年11月から全国銀行個人信用情報センターに加盟しました。全国銀行個人信用情報センターは、銀行が信用調査をする時に利用します。
あなたの信用情報は各金融機関からチェックされる
全国銀行個人信用情報センターに情報が登録されると、そのほかのCICやJICC、CRINといった信用情報機関でも情報は共有されます。もし日本学生支援機構から奨学金を受け取って、返済を滞納しているとその情報は筒抜けになります。
その結果、借り入れやカードの発行が受けられなくなります。もしクレジットカードを持っていても、新たなカードショッピングも不可能です。
奨学金滞納の実態
奨学金返済の滞納は、実は決して無視できない規模になっています。2012年3月時点の情報ですが、滞納者は約33万人もいて、未返還額は総額で実に876億円規模に上っているといいます。日本学生支援機構では、3か月以上にわたって奨学金の返済を滞納している人を事故情報登録の条件としています。
ちなみに2012年時点ですでに1万人以上の人が、奨学金未納で登録されている可能性があるといわれています。いったん事故情報としてブラックリストに載ってしまうと、延滞を解消してから5年間はその記録が残ります。
すなわち5年間は、カードもローンも利用できない状態になるのです。しかも延滞をしていると、年利で10%の延滞金も発生するので、余計なお金も負担しないといけなくなります。
返済できないのなら相談を
奨学金の返済をしないといけないけれども、いろいろな事情で返済できない人もいるはずです。病気やけがで働けていない、不景気の世の中なので正社員に就職できない、給料が低くて生活費だけで手いっぱいという人はいませんか?その場合には、一度相談をしてみるといいです。
実は奨学金の返済が困難な人のために、救済措置を用意しています。具体的には、返済額を減額するとか返済期限を猶予するなどの制度があるので、善後策を先方と相談してみることです。このような救済措置を講じれば、たとえ返済ができなかったとしても滞納扱いにはされません。もちろんブラックリストに載ることもないわけです。
延滞をすると、学生支援機構から督促の電話などが入ります。返済できない気恥ずかしさからか、逃げ回る人もいるようですがきちんと対応して、事情を正直に説明した方がカードやローンを利用するためにもプラスです。