・クレジットカードを作るバイトには注意
いろいろなアルバイトの募集が日々出ていますが、「クレジットカードを作るだけでいくら!」といった案件が出てくることもあります。カードを作るだけでお金が稼げると言われると、簡単にできるからやってみようかと思う人もいるかもしれません。
しかしこのようなクレジットカードの名義貸しは絶対にすべきではないです。
バイトでなくても、親兄弟や友人から頼まれることもあるでしょう。
「自分じゃカード作れないからかわりに…」といった感じです。
知っている人からの頼みだとなかなか断れないでしょうが、つい「うん」と言ってしまうと後々厄介なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
知らない間に借金が膨らむことが
クレジットカードを使ってショッピングしたり、キャッシングと言ってお金を借りたりできます。他人のために自分名義でカードを作って、その人がショッピングなりキャッシングなりで利用すれば、それはあなたの借金となります。
いくら「自分は借りていない」といったところで、あなた名義のカードでお金を借りているのですから、責任はカードの名義者当人が背負わないといけません。
しかもカードを持っている人がどのようにクレジットカードを利用しているか、いちいちモニターするのは難しいでしょう。
このため、知らない間にとんでもない額の借金を背負ってしまっているといった事態も十分考えられます。
クレジットカードを別人名義で作ろうとする人は、そもそもお金を持っていない、自分の名前を使うことに後ろめたさを感じているからのいずれかでしょう。この背景を見ても、あなたにカードで使ったお金を支払おうという誠意は期待できません。
最悪自分が借金を背負うことになっても、自己破産をして債務をチャラにすればいいと思っている人もいるでしょう。
しかし自己破産の根拠法である破産法の中には、「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」を免責の対象外にしています。
つまり自己破産の申請をしても破産が認められず、よって借金もチャラにはできない公算が高いです。
そもそもが法律違反行為
大事なことを言っておきますが、他人名義でクレジットカードを作る、カードを使う、そもそも所持することが犯罪です。
ちなみに使用すると10年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金・所持していただけでも5年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金というかなりのペナルティが課せられます。そしてカードを使った人だけでなく、名義貸しをした人も共犯扱いになって、上で紹介した刑罰を科される可能性は高いです。
さらに詐欺罪や私文書偽造罪が適用される可能性があります。
なぜ詐欺罪が成立するかですが、他人のカードを使うということはある意味なりすましとも考えられます。
つまり自分はカードの名義者で、それだけの経済力を持っているとカード会社をだましてカードを発行させていることになります。また自分とは別人がカードを使うことを前提にしている以上、申込書に偽りがある、私文書偽造罪も成立する可能性が高いです。
まとめ
詐欺も私文書偽造も、実行犯はカードを実際に使った人かもしれません。
ただし自分名義のクレジットカードを他人が使うことをわかっていてカードを作った、もしくはカードを貸したのであれば共犯が成立してしまいます。
このように法的にも厄介なトラブルに巻き込まれる可能性が高いわけです。クレジットカードの名義貸しでお金を稼げるといったような、オイシイアルバイトについ興味をそそられる人もいるでしょう。しかし楽して稼げるバイトには、何か裏があると思うべきです。